目次
- はじめに
- 麻酔から覚めた瞬間~妻との再会
- 「痛みに強い」はずの自分が…PCA(麻酔)連打の夜
- 尿管ステントとバルーンの違和感
- 長くて一睡もできなかった手術当日の夜
- まとめ
はじめに
【これまでのあらすじ】
この記事は、大腸がんステージ3b体験談シリーズの第6回です。
前回の記事では、手術直前の緊迫した準備と、麻酔がかかるまでの心境について書きました。
👉 【体験談⑤】30代大腸がん手術直前。尿管ステントの激痛と「まな板の鯉」になった心境
今回は、手術が終わって麻酔から目が覚めた瞬間から始まった、想像を絶する「地獄の夜」についてお話しします。
麻酔から覚めた瞬間~妻との再会
意識がぼんやりとする中、誰かが私の名前を呼んでいました。 目を開けると、そこには看護師さんと、そして妻の姿がありました。
別記事でも何度か説明していますが、妻はこの病院の看護師。
私が入院していたのも妻の勤務するフロアだったので、本来なら一般の人は入れないような
術後すぐのタイミングでしたが、顔を見に来てくれたのです。
「……終わったん?」
絞り出すような私の声に、妻は少しホッとした表情で、 「うん、無事に終わったよ。よう頑張ったね。……お腹、痛くない?」 と声をかけてくれました。
私は「……まだ麻酔きいてるからか痛くないな、なんかわかんけどめちゃ寒い……」と返すのが精一杯でした。夏の暑い夜のはずなのにとにかく寒く、布団を肩までしっかり掛けてもらったことを覚えています。
そのあと一言、二言会話をして、見慣れた顔がそばにいて、聞き慣れた声で労ってもらえたことで、張り詰めていた糸がふっと緩み、自分が「生きている」ことを実感しました。
看護師として、また妻として私の状況を察してくれた彼女の存在が、この後始まる「地獄の夜」への最初の防波堤になってくれた気がします。
「痛みに強い」はずの自分が…PCA(麻酔)連打の夜
手術前、「痛みの耐性には自信がある」なんて豪語していた自分を、この時の自分は殴ってやりたい気分でした。
麻酔が切れてくるにつれ、お腹にズンズンと響くような、経験したことのない痛みが襲ってきました。 説明を受けていた**「自分で押す麻酔(PCA)」**。 「癖になるからあまり使わないでおこう」なんて迷信を信じていた決意は、数時間で崩れ去りました。
「…痛い。無理。」
気づけば、ボタンをカチカチと何度も連打していました(※実際には一度押すと一定時間は出ない仕組みですが、お守り代わりに連打していました)。
万人に発症する症状なのかわかりませんが、麻酔の管かただの風邪かの影響で咳が止まらなくこの
「咳!咳!咳」がとてつもなく厄介でした。
咳のたび腹圧がかかり、お腹にナイフを突き刺される感覚でした。
尿管ステントとバルーンの違和感
お腹の痛みと同じくらいキツかったのが、下半身の違和感です。 手術前に入れた「尿管ステント」と、術後に入れられた「尿道カテーテル(バルーン)」。
これが、常に「尿意があるのに出せないような、むず痒くて痛い」独特の不快感を引き起こします。あとチューブを通り排尿パックを貯める仕組みですが、注意が必要です。
チューブが手に引っかかる位置にあり、少し移動させたのですが、その際サイフォンの原理で尿が逆流してきます。
(その時にも得も言われぬ不快感があります)
動きたくても体は管だらけ。寝返り一つ打てない状態で、この違和感と戦い続けるのは、精神的にもかなり堪えました。
長くて一睡もできなかった手術当日の夜
病院の夜は長く静かです。 ですが、私の体の中は戦場でした。
- 数分おきに来るお腹の痛みと咳
- 2時間おきに作動する血栓防止の足のポンプの音(フットマッサージ的なやつ)
- 定期的に血圧や体温を測りに来る看護師さん
本当に1時間が1日のように長く感じられ、何度も時計を確認しては「まだ10分しか経っていないのか…」と絶望しました。
まとめ
手術当日の夜は、人生で一番長い夜でした。 「痛みに強い」という過信は捨て、早めにPCA(麻酔)のボタンを押すこと。そして、咳の衝撃に備えること。これが、私が地獄の夜から学んだ教訓です。
次回は、この満身創痍の状態から、初めてベッドから立ち上がる「リハビリ」の様子をお届けします。



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