はじめに
【これまでのあらすじ】 この記事は、30代で大腸がんステージ3bと診断された私の体験談シリーズ第5回です。
前回の記事では、緊急入院から過酷な絶食生活について書きました。
👉 【体験談④】大腸がんで緊急入院|絶食生活と入院中のリアル
今回は、いよいよ手術当日。 「尿管ステント」の処置から、麻酔がかかる直前の極限状態の心境について詳しく書いていきます。
手術前日の気持ち
手術前日、正直なところ気持ちはかなり複雑でした。
「いよいよか…」という覚悟と、
「本当に大丈夫なんだろうか」という不安が入り混じっていました。
頭では「治るための手術」と分かっていても、
やはり“体にメスが入る”という現実は重く、怖さは消えませんでした。
この日は絶食も続いており、体力的にも精神的にも余裕がある状態ではありませんでした。
「178cmの長身で70kgを切る(77kg→69kg)まで痩せ細り、体力も気力も底をつきかけていた」
この日までに体の元気も心の元気もなくなっていて、かなり追い詰められていました。
普段では考えもしない、
この窓から飛んだら(高層階)いらんこと考えんええんやろなあ
手術失敗して意識ないまま、目覚めんかったら意外と幸せな死に方ちゃうんかなとか
よくない発想ばかりしていました。
尿管ステントの処置
私の場合、腫瘍が尿管の近くまで広がっており手術時に尿管を傷つけるリスクがあったため、
手術3日前に「尿管ステント」を入れる処置が行われました。
処置自体は事前に説明を受けていましたが、
正直「そこまでやるのか…」と、改めて事の重大さを感じた瞬間でもありました。
補足:尿管ステントとは
腎臓と膀胱をつなぐ尿管があり、尿路結石等で詰まったり、狭くなった尿路を尿管ステント
(管のようなもの)を入れて尿路を確保するための役割
(私の場合は手術の目印的な役割で使用)
この処置が私個人としてはかなりきつく、妻へ弱音を吐いたのを覚えています。
【きつかった事】
- 血尿→経験したこともなったので、見た目のインパクトに衝撃を受ける。
- 排尿時に腹痛→排尿時に締め付けられるような痛みが発生し、その後1~2時間続く。
- 排尿への恐怖→排尿時に痛みがあることがわかっているので、絶食中の唯一の楽しみだった水分も取れなくなる。
点滴・カテーテルの準備
手術に向けて、点滴やカテーテルの準備も行われました。
腕には点滴用のルート(末梢静脈カテーテル)が確保され、
ここから麻酔や薬剤が投与されるとの説明がありました。
また、手術中や術後の管理のため、尿道カテーテル
(看護師はみんなバルーンと言っていた)などの説明も受けました。
尿道カテーテルの話を聞いたときは、妻の同僚に医療行為とはいえ、
排尿を処理してもらわないといけないのかと想像して
正直いやだなと思ったことは覚えています。
こういった医療処置が一つずつ進むたびに、
「いよいよ手術なんだな」と現実を突きつけられる感覚でした。
オムツの着用
手術前にオムツを履くように言われたときは、正直驚きました。
普段の生活ではまず経験しないことなので、
最初は抵抗もありました。
ただ、手術中や術後は自由に動けないため、必要な準備だと説明を受け、
納得して着用しました。
このあたりから、「患者として完全に任せるしかない状態」に入っていく感覚がありました。
心境としてはまさに”まな板の鯉”
患者として完全に任せるしかない状態に入っていく感覚と覚悟を決めて手術を受けるしかないと諦めにもにた心境でした。
麻酔(PCA)の説明
術後の痛みをコントロールするために、
「自分でボタンを押して使う麻酔(PCA)」の説明も受けました。
痛みが強いときに自分で調整できる仕組みとのことでした。
痛みを耐えるのには自信があった(高校時代、遊んでいて足の靭帯を切って
激痛に耐えながら2キロ近い道のりをけんけんで帰ったことがある)ので
話半分で聞いていました。
「どれくらい効果あんかな?」
「術後どれくらい痛いんかな?」
そんなことを考えながら説明を聞いていました。
迷信にはなるが、痛み止めを使いすぎると効き目が薄くなると思っているたちなので
この時はなるべく使わないでおこうと思っていました。
※術後記事で詳細は書きますが、痛すぎて乱用しました!笑
手術室へ移動
時間になると、看護師さんと妻に付き添われて手術室へ向かいました。
ストレッチャーで移動する中、
病院の天井を見ながら進んでいくあの時間は、今でもはっきり覚えています。
手術室に近づくにつれて、緊張が一気に高まっていきました。
心臓が早くなるのが自分でもわかりました。
平静を装いながら妻や仲良くなった看護師さんへ冗談ぽく
「死んだら墓いらんから、その辺の海にでも骨まいといて」と言って
妻からは「ドラマの見過ぎや、がんばれー」と言われ別れました。
麻酔がかかる直前の気持ち
いよいよ麻酔が始まる直前。
この瞬間が、一番緊張していたかもしれません。
手術台に乗り、着実に進んでいく準備を横目に、心の中で
「麻酔がかかれば、寝てる間に手術は終わると」何度も言い聞かせてました。
それと同時に走馬灯のように、今まで出会った人、家族との思い出や感謝の思いが
駆け巡りました。
「ここから先はもう自分ではどうにもできない」
そう思ったとき、不安と同時に、
どこか覚悟のような気持ちもありました。
あとは医師を信じて任せるしかない。
そう思いながら、意識が遠のいていきました。
まとめ
手術前の準備は、肉体的にも精神的にも想像以上にハードなものでした。
しかし、信頼できる医師や、看護師である妻、そして家族の支えがあったからこそ、最後は「お任せします」と覚悟を決めて目を閉じることができました。
次回は、麻酔から目覚めた瞬間の「痛み」と「ステントの違和感」について、包み隠さずお話しします。



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