目次
- はじめに
- 待ちに待った「食事許可」の瞬間
- 10日ぶりの一口:正直な感想
- 食後の体の変化:内臓が動き出す「ゴロゴロ」という音
- 「食べる」ことは「生きる」こと:心境の変化
- まとめ
はじめに
【これまでのあらすじ】
この記事は、大腸がんステージ3b体験談シリーズの第9回です。
前回の記事では、体に繋がれていたすべての管が抜け、人間としての尊厳を取り戻した喜びについて書きました。
👉【体験談⑧】尿管ステント・バルーン・ドレーン抜去!抜ける時の痛みと「管からの解放」の全記録
管から解放と同時並行して、人生で最も待ち遠しかった「食事」の時間です。入院から絶食が続き、10日以上ぶりに口にした食事のリアルな感想をお届けします。
待ちに待った「食事許可」の瞬間
術後3日目の朝の回診で、先生が「経過も問題なさそうなので、今日から重粥を始めてみましょうか」と言ってくれた瞬間、心の中で小さくガッツポーズをしました。
緊急入院してから、ずっと点滴(高カロリー輸液)だけで過ごしてきた日々。 「空腹感」というよりも、脳が食べ物の味を忘れてしまいそうな不安があったので、この許可は「あなたが人間としての日常に戻る第一歩ですよ」と認められたような、最高に嬉しい通告でした。
10日ぶりの一口:正直な感想
昼食の時間、目の前に運ばれてきたのは、ほとんど水分のような「重粥」と、具のないお吸い物、栄養補助飲料?、ヤクルト。
大まかなメニューは看護師の妻から聞いており、期待することもなく、落胆することもなくといった感じでした。
ほかの人のブログやSNSで術後最初の食事で「最初の一口目は感動的でした」みたいな記事を見ていたので、一口目は期待していましたが、10日以上「無」だった私の味覚でも、おいしいものではなかったです(笑)
ただ重粥を飲み込むだけで、喉が温まり、食道を通って胃に落ちていく感覚。あの時の一口の重みは、一生忘れることができません。
出されたメニューは腸のリハビリと自分に言い聞かせ、すべての食事(飲み物?)を流しこんでお腹はちゃぷちゃぷになりました。
妻からは「水分ばっかりでほかの患者さんとかは残す人多いけど、全部食べてえらいな」と言われ、単細胞の私は次以降の食事も残さず食べようと決心しました。笑
食後の体の変化:内臓が動き出す「ゴロゴロ」という音
食べた後、しばらくするとお腹が「ギュルギュル、ゴロゴロ」と大きな音を立てて動き出しました。 ずっと眠っていた内臓たちが、「仕事が来たぞ!」と一斉に目を覚ましたような、そんな力強い音でした。
食後は少しお腹が張るような感覚もあり、「さっき食べたものが切除した箇所から染み出してこないだろうか」といらぬ創造をして、少し怖くなりましたが、腹痛になることもなく経過は順調そのものでした。
久しぶりに胃に物が入ったことで、全身にじんわりと熱が宿り、点滴だけでは得られなかった「エネルギー」が湧いてくるのを実感しました。
「食べる」ことは「生きる」こと:心境の変化
今回の絶食経験を通して、私の食に対する価値観は180度変わりました。
これまでは「お腹を満たすため」に当たり前に食べていた食事が、実はどれほど贅沢で、どれほど「生きる」ことに直結していたか。
入院前、最後に食べたうどんの味と、この日食べた重粥の味。
どちらも「大腸がん」という大きな病気が繋いでくれた、私の人生のターニングポイントの味です。
これからは一口一口を大切に、そしていつか家族と一緒に笑って食卓を囲める日を目標に、リハビリを頑張ろうと強く心に誓いました。
まとめ
絶食~術後初めての食事を通して、食べるとこがこれほど自分にエネルギーを与えてくれて、元気をもたらしてくれていることがわかりました。
日々の食事の「いただきます」、「ごちそうさま」をより一層感謝して言おうと思いました。
👉 次の記事:【体験談⑩】ついに退院へ!入院費用の現実と、3週間ぶりに外の空気を吸った日(準備中)


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